カテゴリ:ニンジャブレイド( 1 )

忍者の刃

 発売前は多大な期待を寄せられたのに、発売後にはバカゲーの烙印を押された不遇?なゲーム、それがこの「ニンジャブレイド」!(と、言い切るのもなんですが)。
ちなみにXbox360オンリーソフトであります。

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 個人的にも注目してたんですが、世の「バカゲー」との評価を聞いて即、購入を決定。
 驚く早さで中古価格が暴落していったのもあって、案外簡単に入手できたもんでした。発売直後は品薄だったのになぁ…。

 さてこの「ニンジャブレイド」、どうしたってテクモの「NINJA GAIDEN」シリーズと比較されると思うんですが、私も「NINJA GAIDEN BLACK」なんかは持ってはいるものの、プレイするのが惜しくていまだ遊んでなかったり。
「ニンジャブレイド」も発売からすでに数年経っていることですし、この記事では比較なんぞは考えずただ「ニンジャブレイド」を遊んでみた感想を書いてみようと思います。

 まずはキャラクターなんですが、主人公のケン・オガワのデザインがカッコ良すぎる!
 確かカプコンのデザイナーさんがデザインされたものだったと記憶してますが、この主人公だけは出色のカッコ良さ。
 背中に3本も刀を背負ってるのはどうなのかなとも思いましたが、それもプレイしているうちにカッコ良く思えてくるから不思議。こういうキャラは動かしてるだけで楽しくなってきます。
 実際、キャラのモーションや能力スペックはかなりのもので、もともとキャラゲーっぽい雰囲気もありますので、主人公に関してはかなりリキ入ってる感じ。
 他のニンジャ特殊部隊?の面子もずらりと並ぶとカッコ良く、最初は「おおー」と思ってたりもしたんですが、意外なことにこの特殊部隊員たちしか登場人物がいない、というのが驚きというか、いまひとつというか…。
 ムービーなんかではもちろん一般人なんかも登場したり、ボスキャラにはなってますがあれこれ喋るキャラもいたりはするんですが、基本的にドラマの部分では主要な人物は主人公含めて4人程度。
 これがまぁ、ストーリー的にも限定された設定での話であるならいいものの、そうではないのが問題。
 何というか、もちろん開発の問題なんかもあるんでしょうが、人類に敵対する謎の寄生虫の脅威と東京壊滅の危機、というスケールの大きな物語を設定として据えておきながら、メインの登場人物は特殊部隊の人間4人しか出てこない、というのは妙に世界を小さくしてしまった感がありありだったりします。

 敵となるクリーチャーは少々イマイチで、雑魚はいかにも斬られ役といった、棒立ちな敵が多かったり。
 ちょっと手ごわい敵でも、砲台みたいな感じの敵で、結局は斬られ役。
 まあ、メインはボスキャラとの戦闘だからそうなっているんでしょうが、そのボスたちも安易に元ネタの生き物がわかったりしてしまうあたり、もうちょっと力を入れて欲しかったなあと残念にも思えます。
 主人公がカッコイイだけに余計に。

 戦闘システムですが基本的にはコンボを中心とした剣格闘であるのですが、そこはやはりボタン連打だけでも充分進められるようにはなってます。
 まあ、基本的に雑魚との戦闘はプレイ時間稼ぎのようなもので、ゲームのメインは明らかにボス戦なのです。
 が、そのボス戦がかなりの曲者。
「ニンジャブレイド」最大の特徴にして最大の欠点がこのボス戦。
 最初はボスに対して雑用みたいな戦闘をこなしつつ、一定のダメージを与えたり条件をクリアすると、ムービーを見ながら指定されたボタンをタイミング良く押す、というボタン押しゲームになります。
 これがこのゲーム独自のシステム(シネマティックアクションとかクイックタイムイベントとか言うんだそうですが)になってるわけなんですが、このシステムがものすごーくイマイチ。いろんなところで言われてるでしょうから、今更うちが言う必要もないくらいにイマイチ過ぎ。
 ムービーとアクションの融合を目指したわりに、結局は指示されたボタンをただ押すだけ、という単純さが、「凝った映像を見てるだけ」という印象にしてしまっている。一体感がまるでないのですな。
 つまるところ、制作者がカッコイイと思うムービーをただ見ながら、時々ボタンを押すだけ、という作業に近いものになってしまっているのが、ゲーム性を大幅に削いでしまった原因なんだと思われます。
 キャラがあれだけカッコイイのですから、別にムービーでボスを打ち倒すシーンなんか見ないでも、プレイヤーの操作だけで充分カッコイイ戦闘シーンが作れたのではないかと思うと、こういうシステムになってしまっているのがつくづく残念。
 また、「ムービーを見ている感」を助長している一因として、ボスが一定のダメージを食らい、ある程度まで攻略が進行すると、おそらくはこれも時間稼ぎなのでしょうが、ボスが一部分復活するムービーが何度か流れたりします。
 クイックタイムイベントでボタンを間違えたりするとこれがさらにあからさまになり、まったく同じムービーが流れてボスの体力まで回復、また作業的な戦闘をしなければならなかったり。そしてまたもクイックタイムイベントで同じムービーを見る、というわけです。
 しかもそこでミスったならば延々と同じことの繰り返し。これでは、プレイヤーがウンザリしてしまうのもある程度仕方ないかもしれません。

 武器は通常剣(ニンジャブレイドという名の謎の刀)、二刀流の双剣、でっかい大剣の3本。
これらはゲーム進行の謎解きにも絡んできたりします。各剣の個性もちゃんとしており、しっかりとゲーム性に組み込まれている感じ。あまり意味のない成長システムはいらなかった気はしますが。

 さらに巨大な手裏剣を使った忍術も体得していけるようになっており、これは雑魚を倒す他にやはりゲーム進行の謎解きにも使われたりします。
 謎解きは簡単なものばかりですので、迷うようなことはあまりないでしょう。

 システム面ではカメラ操作が一応は自由に出来るのですが、ほとんど自分で操作する必要はなく、自動的に見やすい位置にカメラが移動してくれます。
 ゲームの大半はムービー的なボス戦ですから、これはあまり気にしないでいい要素かも。

 アイテム類は使いづらく感じました。ポーズ状態でアイテムを選ぶ・使用するので、せっかくのゲームのテンポを止めてしまうのも難点。
 また、先のステージのためにアイテムを取っておく方がいいのか、あるいはどんどん使った方がいいのかもわかりづらかった。
 アイテムに関してはもう少し洗練されていれば、と思えてしまいます。

 そういえば、当初雑誌上などでニンジャの主人公がケータイを使ったりバイクに乗ったりする、というのが紹介されてましたが、それらは残念なことにムービー上でしか使ってくれません。プレイヤーが操作するゲーム内ではケータイもバイクも使わないのです。
 こうしたイメージと実際のゲーム内容の微妙なズレが、結局最後まで尾を引いてしまった感も凄くあります。

 そして体力バーの増量などはオブジェクトを壊すと現れる隠しアイテムを集めることによって行えるのですが…これがちょっと、ゲーム性と噛み合ってない気がしてしまいます。隠してある場所は分かりやすいものばかりなのですが、状況的にも早くゲームを進めたいのに、いちいち箱なんかのオブジェクトを壊さないといけない。
 体力増やすのはボス戦での攻略にも関わる重要な要素ですから、無視するわけにもいきませんし、しかしかと言ってストーリー展開をある程度無視して延々周囲のオブジェクトを壊しまくるというのも…。
 やはりここも、ありがちなシステムなどにせず、もう少しゲームの世界観を重要視して欲しかったところ。

 また、バカゲー度を高めているのがストーリーと演出面。
 ストーリーについては「あえてベタなものを作った」という開発者の言葉がありましたが、なぜあえてそうしたのかがよくわからない。しかも、ベタというよりは突拍子もない、それでいてありふれた展開というか。
 また、かすかに張られている伏線が見事なまでに回収されていないのも不満になってしまいます(エンディングの意味不明さがそれを象徴してるかと)。
 演出面も明らかに受け狙いと思わしき場面が続出し、少なくともシリアスな展開だとは言い難く、この点でも ユーザーが求めるゲーム像とは違ったものになってしまった、というポイントになっているんだろうと思われます。
 また、ボス戦での「ムービーシーン」ではどんな目に合おうとも平気なのに、通常ステージでは高いところから落ちると即ミスになってしまう、というのも少々理不尽に思えてしまいます。あまりこういう箇所は多くはないのですが、もう少しゲーム中のキャラや世界観の構築に気を使って欲しかったという気がどうしてもしてしまうのです。

 ゲームの単調さを助長しているのがステージ面。
 夜の東京を舞台にしているのは見栄えとしては非常にカッコイイのですが、全部のステージがそうなので、あまり変わり映えしないように見えてしまう。
 実際には高層ビルからジオフロント、高速道路など、開発者としてはいろいろ入れたつもりなのでしょうが、ゲーム的にステージによって何か変わるかというとあまり変化はないので、やっぱり単調に思えてしまうのです。
 また、ボス戦での視点が一部のボスを除いてほとんど毎回同じ、というのも単調さを印象付けているかもしれません。

 一応、ゲーム性がガラッと変わるのが設置された機関銃によるシューティング面。
 ただ、これも成功しているの言えるのかどうか…つまらなくはないのですが、ニンジャなのに機関銃でシューティング?というと、ちょっと違和感を感じてしまいます。どうせなら手裏剣でも投げてた方が、らしかったのではないでしょうか。

 あと、途中セーブが出来ない、というのはどうにかして欲しかった。セーブはミッションクリア時にオートセーブされるのですが、ミッション中のチェックポイントはセーブされない。ゲーム中ならミスってもチェックポイントからやり直せるのですが、ゲームを一度止めてしまうと、またそのミッションの頭から始めないといけない。…ひとつのミッションはクリアまでかなりの時間(1時間くらい)がかかるのです。
 何か用事があってボス戦中にゲームを止めたら、再開してもまたミッションの始めから。これはキツイ。

 どうもこのゲーム、個性的な部分はゲーム性が足らず、その他の部分はありきたりな要素で作られてしまっている、というのが多大な期待感を背負いながらもそれを超えることができなかったという理由なのではないでしょうか。
 プレイヤーが求めるゲーム像どおりに作られていたならば…とつくづく残念に思えます。

 しかし、バカゲーとしては一級品。上記につらつらと書いたような難点も、バカゲーとして見たら許せるものばかり(多分)。というか、バカゲーだと思ってプレイしないとどうしても辛いものがあったりするわけですが…。
 後世に残るとまではいきませんが、画面のカッコ良さのみをここまで追求し、華々しく散っていった(?)ゲームはバカゲー好きなら見逃すのはもったいないものではないでしょうか。
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by overkilling | 2011-05-09 21:52 | ニンジャブレイド