人気ブログランキング | 話題のタグを見る

メダルオブオナーシリーズその2

メダルオブオナーシリーズその2_a0094381_18324932.jpg

「ヨーロッパ強襲」
 中古屋で980円で購入。
 発売時期から察しても、すっかり「コールオブデューティ」の影響を受けて発売されたという感じ。
 しかしそれだけではなく、いろいろと独自のアイデアも盛り込まれており、良くも悪くもこのゲームの個性になっています。
 時期的にはまだPC版「コールオブデューティ」しか出てないため、このゲームにもオートエイムはなし(エイムアシストは付いているかも?)。
 銃眼を覗く照準モードは搭載されており、「史上最大の作戦」や「ライジングサン」と比べればかなり射撃が当てやすくなっています。ただ、照準モードはスコープ付きライフル以外ではあまり使わなかったりもしますが…。

 ぞろぞろいるチームメイトは戦場の雰囲気を盛り上げてくれるものの、システム的にはあまり練り込まれてはおらず、ゲーム性にほとんど関与してないのが残念。
 また、アイテムなどの表示がペラペラなアイコンというのは、せっかくの世界観を壊しているような。

 その世界観ですが、これは素晴らしい。夜の闇を切り裂くサーチライトに浮かぶドイツ軍基地の情景は、「コールオブデューティ」では味わえない「メダルオブオナー」ならではのセンスの良さを感じさせます。
 日本版では規制によってハーケンクロイツは鉄十字マークへと変更されてしまっているのですが、背景のごく一部にハーケンクロイツが描かれてあったりします。

 ミッション構成などは独特のシステムで、ひとつのステージにメインのミッションが2つあり、そこからさらに副次ミッションがいくつか用意されています。この副次ミッションをクリアすると、ゲーム中にコンティニューできる特殊アイテムを入手できる、というシステムはなかなか面白い。
 ただ、副次ミッションはマップ内を歩き回らないと発生しないのが惜しい。意図せずステージクリアしてしまい、副次ミッションが発生しなかった、ということがよくあるのは残念。おそらく、リプレイ性を考えていたのでしょうが、もう少し操作性が良くて敵との攻防に駆け引きがあるようなシステムだったら、まだ良かったのですけどね。
 また、北アフリカ編のステージ1とステージ2は時間的なつながりがあるのに、ステージ2に進むとアイテム類が初期化されるのはどうかという感じでした。これによって、アイテムをほとんど持っていないステージ2目開始直後がゲーム中で一番難易度が高い、ということになってしまっていました。

 各ステージにはボスキャラ的なドイツ軍将校が存在しており、これも副次ミッションのひとつなのですが、プレイヤーキャラを一時的に強化するアドレナリンモードの搭載も相俟って、この手の戦争FPSでボス戦を展開していくというのはなかなか画期的なアイデア。
 回復アイテムもその場で回復するものと、溜め込んでいつでも自由に使えるものがあるのが面白い。
 数もけっこう獲得できるので、チームメイトを回復する余裕もあるのはいい感じ。
 後半のステージになると回復アイテム・弾薬ともに入手しづらくなって難易度が上がりますが、きちんと攻略を立てるとけっこう楽に進めたりします。もっとも、その攻略を立てるためのリトライがやりづらい。コンティニューアイテムもその場からの復活となるため、「ここはこうすればいいのか」みたいな攻略性に気づきづらい。
 このためか、敵が一部無限湧きして時間制限もある(さほど厳しくはないのですが)最終面をクリアできない、という人もけっこういたようです。
 コンティニューアイテムを使い尽くしてゲームオーバーになると、ミッションの最初からリトライになるのもちょっと厳しい…。

 また、細かい話ですが、ソ連軍編とバルジの戦い編がどちらも雪国のステージでイメージが一緒、というのは、ただでさえ全11面と少ないステージをさらに物足りない感じにしてしまっているのでは、と。
 ある意味、過渡期に出た実験的な作品、といった感じになっています。

メダルオブオナーシリーズその2_a0094381_23113272.jpg

「ヴァンガード」
 ついに体力無限回復を搭載したMOH。それでもオートエイムは無し。
 シンプルな作りで遊びやすく、ステージの印象は地味ですが佳作的な1本だと思います。

 また、MOHシリーズでは珍しくボイスが吹き替えられています。賛否はあるでしょうが…。
 なぜだかドイツ兵の声まで日本語で吹き替えられていますが、これはそもそも海外版のドイツ兵も英語で喋っているためでしょう。このため、聞こえてくる声がどちらの陣営のものなのか判断つきにくい場面もあったり。

 仲間は時々邪魔になることもありますが、基本的には雰囲気を盛り上げてくれる存在になっています。
 全体的には前作「ヨーロッパ強襲」よりもきちんと進化している印象です。

 ただ、最終面などが異様に難しく、「アライドアサルト」の悪夢の思い起こさせるかのような大量のスナイパー兵との対戦場面ではかなりの数のトライ&エラーを繰り返さねばならなくなります(ここだけソロ突撃させられたり、コンティニューの度にデモパートを見させられるのも辟易…)。最終パートも難易度ノーマルならまだ楽しめますが、難易度ハードだと敵を倒す順番をパターン化していないと秒殺されかねない難易度。

 その最終パートは防衛戦になっており、一方的に攻め込む最終ステージが多いミリタリーFPSの中でも独特の面白さが出ていると思います。

 派手さはないですが手堅くまとめられた良質ゲームといったところでしょうか。
 ハーケンクロイツは海外版でも規制されているのか出てこないので、日本語版でも存在してません。
 中古市場ではだいたい1000円以下で購入できます。

メダルオブオナーシリーズその2_a0094381_18323317.jpg

「エアボーン」
 中古屋で1980円で購入。現在はもっと安くなってました。
 このゲームは個人的にはとても面白く、気に入りました。

 照準モードはありますがオートエイムはなし。ただし、敵を狙いやすいようにエイムアシストが付いてる感じ。
 箱庭的なシステムが賛否両論なようですが、個人的にはかなり楽しめました。
 ただ、各ステージ前半でミスになると、毎回パラシュート落下から始めなければならないのは、どう考えてもマイナスですわな。

 また、これは他の戦争FPSゲームも同様なのですが、本来は弾をバラまくのが目的だったMG-42が、とんでもない精度の狙撃をしてくることで難易度を調整している、というのは、リアリティの無さもあって少々ゲンナリしてしまいました。

 しかしステージの世界観は本当に素晴らしい。各ステージ良く練られており、印象深いものばかりでした。
 巨大要塞そのものなラストステージやボスキャラチックなSS親衛隊員のゲーム的なアレンジも、まぁ好印象。
 ステージが少ない、という声もありますが、サクッとクリア出来ると思えばあまりマイナスにはなりませんでした。

 そういえば射撃が当てづらい、という意見を度々目にしましたが、ノーマル・ハードとプレイして、そんな風に思ったことは一度もなかったのですけどね…。
 敵から狙撃されるときに銃口が光るのはわかりやすくていいシステムですし、また、敵に投げられた手榴弾が、アイコンの色によってダメージを受けるのかどうかわかるというのも、「コールオブデューティ」より凝った親切なシステムであると思います。

 武器の成長システムはやや面倒に感じましたが、それほど考える必要もなく、また、作戦開始前にある程度好きに武器を選べる、というのは独特で面白く感じました。
 こういうゲームだと、「武器は絶対MP40」とこだわる人も多いですからね。
 世間の評価よりは、個人的には高評価をしたいゲームです。

 ハーケンクロイツは海外版でも規制がかかったようで表現はなし(全部鉄十字になっている)。日本語版でも当然出てきません。

メダルオブオナーシリーズその2_a0094381_23381314.jpg

「メダルオブオナー」
 一部で「メダルオブオナー2010」と呼ばれている、現代戦を扱ったMOH。

 操作系は完全にコールオブデューティと化しており、内容もほぼそのままCoD。
 これまでWWⅡを描いてきたMOHらしさは微塵も感じられない。

 独特さを挙げるとすれば、ステージがひたすらアフガニスタンの荒涼とした世界で続く、という点でしょうか。
 それゆえ、単調に感じられる部分も多々あったりもします。
 ビークルに乗って移動する場面もあるのですが、戦闘などはなくただ移動するだけでゲーム性はほぼ皆無なため、ほとんど印象に残らない。
 戦闘ヘリを操縦するステージもありますが、操作をきちんと把握していないと、余計な手間がかかってしまったりもします。

 おそらく、最大の問題は難易度が易しすぎるという点でしょう。この手のミリタリーFPSに慣れた人なら、一度もゲームオーバーを迎えることなく最終面まで進んでしまえるのではないでしょうか。
 難易度ハードもあるのですがほとんど難易度が上がったようには感じられず、これまた至極あっさりと進めてしまえます。
 さすがにこれは調整不足といったところでしょうか…。

 また、シングルプレイのステージ数も少なめなので、下手すると5時間程度でエンディングまでいけてしまいます。まぁ難易度を上げてプレイ時間を長くするよりかは、はるかにいいのですが…。

 あっさりした難易度のため、前半はサクサク進みすぎてしまう感もありますが、後半になるとストーリー展開も相俟って俄然盛り上がってきます。
 この盛り上げがもっと前半からあったなら…と言いますか、もっとゲーム的な要素もたくさんあれば良かったのに、と思うのですが、それはゲームデザイン的にも別の方向性になってしまうのかも知れません。

 エンディングは珍しく悲劇的に終わりますが、もうひとつ納得がいかないような気分にもさせられます。何となく、9.11以後の米では「誰かが犠牲になって正義が守られるのは当然」という認識になってるんじゃないかと、ちょっと的外れなことも考えたくなってしまいます。ゲームの内容が現在も行われている戦闘を扱っているだけに、安易にアメリカ人の愛国心を煽るような面が見えてしまうのは、私が日本人だからでしょうか?

「メダルオブオナー」の新作は南北戦争をテーマにしたものが制作中、とか。
再びWWⅡに回帰してもいいような気はしますがね。
(後記:結局、再び現代戦モノが作られましたが、起死回生にも「バトルフィールド」シリーズとの差別化にもならなかったようです)

by overkilling | 2011-10-01 08:45 | メダルオブオナーシリーズ